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津軽の絶品食材?ネマガリタケを採りに行ってみた!

◆一度食べたらヤミツキになるネマガリタケとは

豪雪地帯に生え、雪の重みで根っこが弓のように曲がることから、「ネマガリタケ(根曲がり竹)」と呼称する。正式名称は「チシマザサ」。ササの仲間では最も北部に生育し、日本では主に北海道、東北地方、長野県に分布している。地方名もさまざまで、エチゴザサ、ジダケなどの呼称がある。

これこそ、東北人が一途に愛してやまないタケノコなのだ。知らなかったことを後悔するほどのおいしさだ。缶詰などで通年味わえるが、やはり旬は別格。念願かなって行くことができたネマガリタケ採りの様子を紹介したい。

◆津軽でも有名な場所

平川市切明地区は、毎年良質なネマガリタケを求めて早朝から人が押し寄せるスポットとして有名だ。道中購入した入山券を提示して山に入る。山の上の方は先客があちこちに車を停めている。絶景とは不釣り合いなほどの音量でクマよけのため拡声器のサイレンがそこかしこで響き渡っていた。

▲茂るネマガリタケ。高さは2メートルを超える

◆やぶの中で宝探し?

▲チシマザサのやぶ。どこから入るのか悩むほど密集している。しなる竹をかき分けて進む

ネマガリタケのやぶは場所にもよるが、背も高く密度があるため複数人で入ってもあっという間に見失ってしまう。私はタケノコ採り初心者のため深く入らずに採ることにした。

▲やぶの中。かき分けた竹が跳ね返り帽子とメガネが飛びそうに

◆待望のネマガリタケ発見!

さすが名所だけあってやぶの手前からタケノコがにょきにょき出ている。もちろん食べられるが、奥の方が太い竹があり立派なタケノコが取れるということで、中腰で地面を眺めつつ進む。
最初は慣れないが、だんだんと見つけるのが容易になってくる。あっちにも、こっちにも、と気分は宝探しだ。ポキリポキリと手折る音も楽しい。夢中になってしまう面白さだ。

 

 

▲地面に沿って横に伸びているネマガリタケ。葉に隠れていると見つけにくい

2時間かけて2人でスーパーの買い物かご一杯分ほど採れた。これだけ採れれば大満足だ。

▲収穫したてのネマガリタケ

◆収穫後の作業

ネマガリタケは山歩きの師匠でもある夫の実家に持ち込み、おすそ分けしつつ皮むき作業を手伝ってもらった。タケノコは採るだけでは終わらない。ひたすら皮をむき、固くて食べられない部分をカットしていく。

▲むきやすいように包丁で切れ込みを入れる

▲皮をむいたネマガリタケ

▲固くて食べられない所(右側)を見極めてカットしていく。包丁がスッと通ればOK

竹の皮をむき可食部を残すと、あれだけあったネマガリタケは半分以下の重量になった。それから茹でればひととおりの手順は終了する。アクがほぼ無いので茹でたてをすぐに食べることができる。缶詰と違うシャキシャキの歯ごたえとタケノコの香りがたまらない。苦労が報われる瞬間だ。このために山に行ってきたのだ。皮付きを焼いて食べるのもとてもおススメだ。どうやって食べてもおいしいネマガリタケ。ぜひ、食べてほしいと思う。

▲まずは茹でたてを。私の一押しはニンニク味噌をつけて食べること。

◆忘れてはいけない山の危険

▲やぶの近くにあったクマ捕獲のわな。中にエサがありクマが入ると、おりが閉まる仕掛け

さても面白きネマガリタケ採りだが、大きな危険と常に背中合わせだということを最後に伝えておきたい。遭難とクマだ。広い山中、やぶの中で方向を見失うのは本当に怖い。やぶの入り口に拡声器をぶら下げて大きな音でサイレンを鳴らしておく人もいる。やぶからの出口を示すとともにクマよけのためでもある。私もクマ鈴を持ち、時に意図的に鳴らして進んだ。令和6年5月15日~11月30日までツキノワグマ注意報が県から発令中のため、入山の際は特に安全に注意してほしい。


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